令和七年度企画展 天領小林村と安田家@山田奉行所記念館(伊勢市御薗町上條)

2026年03月01日(日) 令和七年度企画展 天領小林村と安田家@山田奉行所記念館(伊勢市御薗町上條) (徒歩)

 

山田奉行所記念館では、本日より次の企画展が開始された。

山田奉行所記念館企画展「天領小林村と庄屋家」
開催期間
 令和8年3月1日(日曜日)から令和8年3月30日(月曜日)まで
開催時間
 午前9時から午後4時まで ※火曜日は休館
開催場所
 山田奉行所記念館
内容
 江戸時代に山田奉行所が設置されていた小林村(現 御薗町小林)は幕府領(天領)であり、庄屋として安田家が世襲していました。今回の企画展では、安田家所蔵の古文書や道具・調度品などを展示することにより、この時代に生きた村役人や農民の生活様相を紹介します。また複雑だったこの地域の支配体制(神領、幕府領、藩領など)や山田奉行所との関係、現在のまちづくりへのつながりを示します。

費用 不要
問い合わせ山田奉行所記念館
電話:0596-36-8833

【注】伊勢市のホームページより引用した。ただし、会期が終了すると紹介サイトは姿を消すのが常なのでリンクは掲載せず。

 

ご近所なので一番乗りになれるよう家を出ると、開館直後に到着した。

山田奉行所記念館(伊勢市御薗町上條)
山田奉行所記念館(伊勢市御薗町上條)

 

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

 

会場には次の資料が用意されていた。

令和7年度企画展(令8.3.1~3.30)
天領小林村と安田家
趣旨
 江戸時代、 宇治・山田地域の多くは神宮領であったが、幕府財政を支える幕府領(天領)も存在した。主な理由は山田奉行所が設置されたことであり、所在地であった小林村(現伊勢市御薗町小林)も幕府領の一つであった。神宮領とは異なる支配体制が敷かれ、代官所(信楽・四日市)によって村運営を委任されていた庄屋という村役人が存在した。
 今回の企画展では、小林村庄屋の安田庄右衛門が所蔵していたとされる道具・調度品・古文書等の一部を展示する。富裕農民層とされながらも年貢徴収や土木工事、役人対象の宿泊業務、村社会の秩序維持に奔走する庄屋の実像を紹介するとともに、当時の百姓衆の生活様相に迫りたい。

展示内容
Ⅰ 江戸期幕藩体制と小林村
 ・江戸期における幕藩体制と神領支配
 ・山田奉行所の設置と幕府領の展開
 ・幕府領における支配体制と村役人
Ⅱ 庄屋安田庄右衛門
 ・安田家当主の継承
 ・所蔵古文書・古地図・家訓巻物
 ・保管されていた道具・調度品・美術品
Ⅲ 古文書が伝える庄右衛門の仕事
1 住民を把握し統制すること
 ①高齢者調査(80歳以上の高齢者を調査し代官所へ報告)
 ②宗門改の実施(寺請制度の実際)
2 貢租と賦役
 ①年貢の徴収と上納
 ②賦役
  ・橋の架け替え(馬瀬川の三枚橋)
  ・山田奉行退役による江戸参府の人足奉仕
3 御触書の伝達
 ・大塩平八郎の乱に関わる人相書の伝達
4 村内の治安維持
 ・村内不祥事への対応
5 宿泊所の手配
 ・普請予定地の検分に下向した代官所役人の宿泊手配

 

この企画展は、小林村の庄屋であった安田家の蔵で多数の古文書や古絵図が見つかり、軽トラック2台分が山田奉行所記念館へ持ち込まれたことが契機となったそうだ。しかし、読み解かれた古文書や古絵図は全体の極一部であり、すべての内容も読み解かれればさらに興味深い事実が明らかになることだろう。

この企画展では、安田家が農民の身分でありながら名字帯刀を許され、年貢の徴収と上納だけでなく、住民の統制や治安維持、さらには土木事業を執り仕切るなど、小林村の重鎮として山田奉行とも緊密な関係を保っていたことが紹介されている。

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

 

山田奉行所と安田家が緊密であった資料。

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

 

さらに、多数の古絵図もあり、我が家の近くにあった板橋も示されている。など絵図を読み込むととても興味深い。

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

 

歴代当主の紹介や

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

 

安田家の屋敷間取図。(今も門と主屋は残され、主屋は基礎も構造も維持する方法で改装中とのこと。)

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

 

こちらが、保管されていた道具・調度品・美術品である。

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

 

こちら(雛人形?)は組み立て説明図など無いので、かつての完成写真をiPadで拡大しながら参考にして、組み立てるのに3日かかったとのこと。会期が終了すると解体されるので、組み立てが大変なこの作品を目にする機会はもうないかもしれない。こちらを一見するのも価値がある。

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

 

最近作られたかのような素晴らしい陣羽織。

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

 

これらが今回の企画展示の資料となった古文書類である。

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

 

こちらから読み解かれた成果は、ぜひとも現地を訪れて、ご自身で確認していただきたい。

安田庄右衛門が活躍する姿の一端が垣間見え、さらなる展開を期待したくなるだろう。

 

なお、安田家には家訓があり、庄屋家としての心得や職責が示され、確固たる継承を申し伝えている。とのこと。

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

冒頭には、代々農事を業とするので長であっても、夏の暑さや冬の寒さに耐え農事に精を出し、雑穀を食べ上米を貢ぐ。と指示されている。

令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)
令和七年度企画展 天領小林村と安田家(山田奉行所記念館)

 

さきほどの華やかな美術品(雛人形?)を所有する理由は、この條々をすべて読まないとわからないのだろうか。さらに、他の古文書の内容が解明されると新たな発見も多いと期待される。

 

周辺は神領であったが、山田奉行所が置かれたため天領であった小林村の庄屋さんに焦点をあてた企画展、ぜひとも来館を!

また、山田奉行所記念館では人手が足りないようなので、文書等の解読に協力できる方はおられないだろうか。ぜひとも!

  


 

【追記】

今回の企画展のために東京から来勢された安田家の方々に展示会場でお目にかかり、改装中であるお宅を案内していただいた。古民家としての重要な部分は維持しつつも、生活できる空間として成立するように様々に工夫されている。立派な先祖を持つと末裔も大変だ。

安田家の門と屋敷(伊勢市御薗町小林)
安田家の門と屋敷(伊勢市御薗町小林)

 

安田家文書の新たな展開に期待したい。

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